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バニシングツインを乗り越えて

枯葉


長い不妊治療の末、私の中に双子の命が宿りました。

不安だらけでしたが、辛い治療を乗り越えてようやく迎え入れることの出来たbabyなので、私にとっても夫にとっても、とてもかけがえのない存在となりました。

しかし大量出血の後、双子の一方がいなくなってしまい、その影響による子宮収縮で、踏ん張ってくれているもう一方のbabyも危険な状態となりました。

→自宅安静か入院療養か

急きょ入院療養となり、10日間にわたる安静生活が始まりました。

切迫流産の治療

病室に案内されて最初に看護師さんに言われたことは、トイレ以外は原則ベッドで過ごすように、ということでした。

さっそく院内着に着替え、止血剤の点滴が始まりました。

妊娠0~11週→早期切迫流産

12~21週→後期切迫流産

22~36週→切迫早産

と言い、私は妊娠8週目での切迫流産だったため、早期ということになります。

早期と後期では使用する薬の種類が違ってきます。

お腹の張り止めとして使われたのは、ダクチル錠。

これが後期になると、ズファジランウテメリンという錠剤や注射になります。

子宮の状態が前期と後期とでは違ってくるからだそうです。

黄体ホルモンの補充もありました。

これは不妊治療中から使用しているおなじみのプロゲストンプロゲストンデポーというものです。

babyが内膜から離れないようにするために使われました。

一方、後期になるとbabyが自ら作り出すようになるため、ホルモン補充の必要はないということで使用されません。

そして止血剤として使われたのは、アドナ錠トランサミンカプセルです。

アドナ錠には毛細血管を強くして出血を抑制する働きがあり、トランサミンには出血の原因となるプラスミンという生体内物質の働きを抑える効果があります。

後期にも同じものが使われますが、babyが大人と同じ血管を持つようになるので、十分注意をした上での服用となります。

このような感じでずっと腕に点滴針を刺した状態でベッドに横たわっていました。

しばらくすると、吐き気が襲ってくるようになりました。

妊娠8週と言うと、月数では3ヶ月、ちょうどつわりが始まる時期でもあります。

ああ…ついに来たか。と、どんよりする内蔵をなでながら暗い気持ちで時間をもてあましていましたが、ある時、隣のベッドの患者さんが家族にこう言っている声が聞こえてきました。

「あまりにも気持ち悪いから看護師さんに聞いてみたら、この点滴の副作用でなっているのかもしれないって」

お隣さんも切迫流産での入院のようでした。

調べてみると、止血剤が吐き気の原因のようです。

 

トランサミン副作用…かゆみ、発疹、発熱、胸焼け、吐き気、下痢、眠気

アドナ副作用…食欲不振、胃部不快感

 

つわりに加え、薬の副作用にも堪えなくちゃならないなんて、地獄そのものです。

しかもそんな気持ちを紛らすために身体を動かすことすらも出来ないのです。

仕方がないから本でも読んでようかと夫が持ってきてくれた漫画を手に取ると、なんとも不運なことに『酒の○○道』。

普段なら楽しんで読めるけれど、おいしそうな酒の肴のお話も、この時ばかりは吐き気を増強させるスイッチにしかなりませんでした。

一応読書が趣味なので、自宅に買いだめていたミステリー小説を3~4冊夫に持ってきてもらい、一日中読み続けることでだいぶ吐き気を紛らすことが出来ました。

子宮収縮の危険

入院中疑問に思ったことがありました。

双子の一方がいなくなってしまい、もう一方のbabyの横に大きな血の固まりとなってとどまっているエコー画像を見せられたのですが、その状態が良くないと言うのに、なぜそれを一刻も早く体外に排出させずに止血するのか?

良くないなら出した方がいいんじゃないだろうか?

なにせもう一人の命を守ることで躍起になっていたので、内診のたびに血の固まりの大きさに変化がないのを見せられ、不安いっぱいでした。

ある時回診に来た担当医に思いきって尋ねてみました。

するとこんな返事をいただきました。

「血液を押し出そうとして子宮が収縮すると、今いる赤ちゃんも一緒に押し出されてしまうからあまり良くないんです。だからバイ菌が入ったというようなことがない限りは、血液は止血剤で止めていく必要があります」

ようやく納得がいきました。体内に残った血液は吸収されてやがてなくなるということも聞き、少し気持ちが楽になりました。

疑問に思ったことは何でも聞いてみるべきですね。

バニシングツインとは

双子のbabyの一方が亡くなってしまうことを、バニシングツインと言います。

これが初期に起こると、子宮内に吸収されて消えてしまうのですが、中期で起こるとまれに吸収されずに子宮内に残ってしまうことがあるそうです。

この場合は出産時に一緒に取り出してあげるらしいですが、元気に産声をあげるbabyのかたわらで、動くことのない消えた命の存在に触れるというのは、なんとも形容しがたい悲しみがあります。

私は初期のバニシングツインでした。

初期は染色体異常による流産の場合が多いため、あれをしたからいけなかったとか、逆にあれをやらなかったからダメだったということは、考えても仕方がないようです。

とはいえ、何度も双子のいる生活を想像して幸せいっぱいになっていたのですから、この現実はとても残酷です。

先の出産では子宮内反症で死にかけ、心身共にしんどい思いをしましたが、心がずしんと重くなり、どう頑張っても解決策が見出だせないような混沌にとらわれたのは、双子の一人がいなくなってしまったという現実を突き付けられたこの瞬間でした。

気持ちを切りかえて

このままふさぎ込んでいたら自分がダメになってしまうんじゃないかという恐怖がありました。

けれど、どん底にまで落ちてしまった心はちょっとやそっとでは浮揚してきません。

娘に申し訳ない。

お腹の中で踏ん張っているbabyにも申し訳ない。

そう思いつつも、ベッドから起き上がれない日々が続きました。

私が気持ちを切りかえることが出来たのは、いなくなってしまったbabyがいつかまた私の元に戻ってきてくれる。子供という形でないとしても、私を包み込む何か大きな力となってそっとかたわらに寄り添っていてくれるはずだ、と何度も自分に言い聞かせたからです。

それに残されたbabyが妊婦検診のたびに順調に大きくなっていることも励みになりました。

妊娠期間、様々なことがありましたが、この二人目babyは無事に生まれ、今年は4歳を迎える年となりました。

三姉妹の真ん中ゆえかとても気が利く、ちょっと大人びた女の子に成長しました。

いつか機会があれば、双子だったことを話してあげようかと思っています(^^)

 

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